ADI製ヒ素除去システム

納入事例: ヒ素除去システムおもな納入事例

日本国内の豊富な水資源を生かす

日本では、地域により国土の特性を生かし、飲料水を井戸水に頼るケースが有ります。ミネラル分が豊富な、良質のいわゆる「軟水」が揚水することが出来、その豊富な水量は日本の貴重な財産となります。

しかし、地域によっては、地質から由来する「ヒ素」等の有害物質が溶け込んでいるケースがあります。弊社ではこの日本の貴重な財産を有効利用するために、カナダの「ADI社(ADI Group Inc.」と技術協力し、日本でのニーズにあったヒ素除去の提案をしております。

弊社が提案するヒ素除去ろ材MEDIA G2シリーズは、ヒ素除去のパイオニアでもあるカナダの水処理技術・機器のリーディングカンパニー ADI Group Inc.の製品です。 ADI Group Inc.は1945年から水処理・環境関連技術を全世界にアピールし続けております

1. ADI法とは?

ADI法ADI Group Inc.が「効率的にヒ素を除去し、簡単で低価格の充填材を開発する事」を目的とし研究・開発した技術である。弊社がADI社と技術協力することに成功し、そのヒ素除去技術を「ADI法」と呼ぶ事とした。

ヒ素の吸着材としてはMEDIA-G2MEDIA-G2-Rの2種類がある。MEDIA-G2は比較的流量の大きな設備のヒ素を処理するのに適している。MEDIA-G2-Rはヒ素の濃度に左右されずに、高いヒ素除去効率が発揮できるMEDIA(メディア)である。

2. メディア

MEDIA(メディア)は微細に穴の開いた粒子で、MEDIA-G2は無機質の基質からなる自然の鉱物を原料とし、MEDIA-G2-Rは有機材(Resin)の基質からなる人工物を原料とし、そして表面には水酸化第二鉄がコーティングされている。

3. 処理条件

システムは接触時間を基準に設計される。接触時間はMEDIA-G2が10分間以上、MEDIA-G2-Rは5分間以上必要である。ヒ素濃度が高い場合は接触時間を長く取った方が除去効率は高くなる。

ヒ素除去処理は固定床式・加圧下向流方式でおこなうMEDIA(メディア)はpH4.5〜8.5域にわたって機能するが、特にMEDIA-G2は酸性域で吸着効率が良くなるため、原水のpHを5.0〜5.5になるようにpH調整する必要がある。MEDIA-G2-RはpH域に比較的左右されにくい特徴を持っているため、いかなるpHでも高いヒ素除去効率が発揮できる。

4. ADI法の特徴

@ローコスト・省スペース
MEDIAのヒ素吸着能力が高く、大幅なランニングコストの低減に成功。さらに設備が簡素化、縮小が可能で、建設費も低く抑えることが可能です。
A条件により最適な提案が可能
ハイパフォーマンスのMEDIAを使用することにより、ヒ素濃度や水量に合わせた最適な効率の良い提案が可能です。
B安全でしかも衛生的
ヒ素を含む汚泥などにお客様が触れる機会はほとんど無く、MEDIAの定期交換(弊社にて実施)のみで済みます。薬品も限られた物しか使用せず、安全で快適なヒ素処理が可能です。
C運転管理が容易
MEDIAを充填したヒ素除去塔はもとより、付帯設備のポンプなどは特別な管理技術を要しません。

飲料水 人の健康の保護に関する環境基準 (最終改正平成7年環境庁告示 )及び水道水の水質基準等では『 ヒ素 』の基準値を0.01mg/L以下と定めています。

日本では古くから井戸水等にヒ素が含まれていることが多く、その危険性への認識がヒ素という言葉を身近なものにしています。しかし、国内では飲料水を処理する方法が確立されておらず、政府からの助成を受けた企業や大学で、ヒ素の吸着材が開発されてはいますが、まだ試験段階で実用化には至っていないのが現状です。他の方法としてイオン交換法等が挙げられますが、高価で実際には飲料水のヒ素処理はほとんど行われていません。

排水 水質汚濁防止に係わる排水基準 (最終改正平成6年1月10日環境庁告示 )では
『 ヒ素及びその化合物 』の排水基準を0.1mg/L以下と定めています。

現在日本国内で最も多く採用されている処理方法は、共沈法と呼ばれる方法です。これは排水に鉄やアルミニウムなどを添加し、ヒ素を抱き込ませて沈める方法ですが、沈殿には大きな槽を必要とし、ヒ素を含んだ汚泥を大量に発生します。その他の方法として以下のような方法がありますが、いずれにおいてもADI法が有効であることを表しています。

従来のヒ素除去法とADI法との比較

処理方法 共沈法 吸着砂濾過法 逆浸透膜法 活性アルミナ法 ADI法
ヒ素除去能力 普通 普通 極めて高い 高い 極めて高い
処理後ヒ素濃度 0.08ppm 0.05ppm 0.001ppm 0.01ppm 0.001ppm
設 備 費 140 100 150 110 100
ランニングコスト 200〜250 100〜120 120〜150 110〜120 100
処理水再利用
(飲料水利用)の
可・否
不可 不可
日本での実績 国内最多 少ない 少ない
国外多い
少ない 少ない
総合評価
備  考 有害物質を含む産廃が多量に発生する。 ろ材の交換頻度が多い。 純水を製造するため、処理水にミネラル分が残存しない。膜が詰まり易い。 ヒ素と数種類の物質の選択的除去が可能。 ヒ素のみの選択的除去が可能。
 

※ 設備費・ランニングコストはADI法を100とした場合の相対額。 (当社調査 : 2005年) 

※ 原水の水質(ヒ素濃度等)によって多少の変動があります。

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